『千と千尋の神隠し』は公開から10年を経過してもなお、幅広い層から愛され続けている映画です。その人気の秘密は、魅力的なストーリーだけでなく、物語を豊かにする多彩なキャラクターたちにもあります。
この映画には多くのキャラクターが登場し、主要な役割を果たす主人公たちだけでなく、脇役のキャラクターも大きな注目を集めています。映画の舞台である油屋は、神々が訪れて休息を取る場所として描かれており、そのため様々な神々が物語に登場します。
この記事では、その中でも大根の形をしたユニークな神様に焦点を当て、その名前や本質について深掘りしていきます。
白いやつは大根の神様?おしら様って何?
千と千尋の神隠しに登場する神様で、大根の形をしたユニークな外見で、丸々としたお腹と赤いふんどしを身につけ、頭には赤い皿のようなものを乗せているという、一目で忘れられない特徴を持っています。
この神様はおしら様と呼ばれ、そのどこか無関心そうな表情が親しみやすく、多くの視聴者に愛されています。
おしら様は映画内で「大根の神」として紹介されていますが、実は映画のキャラクターは伝統的な神様を元にしています。映画のおしら様のモデルとなったのも「おしら様」という名の神様で、この神様は農業などを司る神様として知られています。ただし、実際のおしら様の神体は映画で見る姿とは異なり、名前がインスピレーションの源であると考えられます。
おしら様は優しい神様だからエレベーターで千尋をかばった?
おしら様は映画『千と千尋の神隠し』で大根の神様として登場し、特に印象的なシーンがあります。それは、千尋が湯婆婆のもとへ向かう際にエレベーターに乗った時、千尋を自分の大きな体で隠して従業員の目から守る場面です。この行動により、千尋は無事に見過ごされます。
このシーンでは、なぜおしら様が千尋を守るのかという疑問が生じます。モデルとされるおしら様が子供を好む神様であることから、困っている子供に対して自然と優しくする性質があるのかもしれません。映画では人間特有のにおいが油屋の従業員にとって不快であるため、神様も同様に人間のにおいを嫌う可能性があります。
しかし、おしら様が千尋を保護する行動を取ったのは、子供好きな性格が影響していると考えられます。おしら様はほとんど表情を変えず、ほとんど話すこともありませんが、人間が嫌われる世界において、困っている千尋を見過ごせなかったためと推測されます。
魅力的なキャラクター、おしら様の忘れられないシーンをピックアップ!
おしら様はそのユニークな見た目と愛嬌のある振る舞いで多くのファンの記憶に残っています。ここでは、特に印象的なシーンを紹介していきましょう。
千尋を保護するエレベーターのシーン
以前にも触れたこのシーンは、千尋が湯婆婆の居る最上階に向かうための緊張感溢れる瞬間です。初めて見たときは、おしら様が敵か味方か判断がつきませんでしたが、千尋を守る姿を見て味方であることが明らかになりました。このシーンで、おしら様の愛嬌ある行動が多くの視聴者に安心感と温かみを提供したことでしょう。
千尋の成功を祝うおしら様
おしら様は物語中盤でも重要な役割を果たします。千尋が川の神様の真の姿を見抜いて成功を収めた際、おしら様も登場しています。湯婆婆と従業員たちと共に千尋の成功を喜ぶ姿は、千尋が初めてエレベーターに乗った時の無表情から一変し、明らかに喜びを表しています。この表情変化からも、おしら様が子供に対して優しい神様であることが伝わってきます。
まとめ
千と千尋の神隠しに出てくる白いやつの正体は大根の神様[おしら様]ということが分かりました。おしら様が子供に対して優しい神様であることも分かってより一層、千と千尋の神隠しを見る目も変わったのではないでしょうか。