カオナシは『千と千尋の神隠し』に登場する記憶に残るキャラクターです。
彼の特徴的な無面の外見と行動が、映画全体を通じて強い印象を与えます。最初はほとんど話すことができなかったカオナシですが、油屋の従業員を次々と吸収することで、話す能力を得て性格が次第に凶暴に変わっていきます。
最終的には再びおとなしい性格に戻る変化を遂げています。
カオナシの正体は多くの謎に包まれており、彼が神様の一種なのか、それとも全く異なる存在なのかは明確ではありません。彼が神様が訪れる場所にいることから、何らかの神秘的な存在である可能性はあります。
この記事では、そのような不思議で多面的なキャラクターであるカオナシについて深掘りしていきます。
カオナシと千尋との出会いについて
千尋とカオナシの最初の出会いは、『千と千尋の神隠し』の序盤に位置します。
千尋とハクが湯婆婆のもとへ向かうため、油屋に続く橋を渡るシーンで起こります。ここで千尋はハクの指示に従い、息を止めて人間であることを隠しながら歩いています。
千尋とカオナシの初めての出会い
この橋の途中に、カオナシが静かに立っており、千尋が通り過ぎる際に彼女をじっと見つめています。
この瞬間は多くの視聴者には見逃されがちですが、二人の最初の接触点として非常に重要です。カオナシの異様な見た目と、千尋だけを認識する能力が彼を周囲とは異なる存在として示しています。
カオナシと千尋の象徴的な電車のシーン
千尋とカオナシが共に電車に乗るシーンは、映画内で特に印象的なワンカットです。
このシーンはしばしばアニメの象徴的なイメージとして引用され、深い意味が込められていることが指摘されています。千尋とカオナシの関係性の進展と、彼らの旅の重要な局面を象徴するこのシーンは、物語の展開において重要な役割を果たしています。
カオナシが千を欲しがる理由とは?
物語の中盤で、油屋の従業員を取り込み話すようになったカオナシは、千尋に対して強い執着を示します。
この行動の背後には、千尋が唯一自分を認識してくれたという理由が考えられます。千尋がカオナシを客だと誤認し油屋に招いたことで、彼は初めて油屋に入ることができました。油屋には多くの従業員や客がいますが、カオナシが入るまで誰にも認識されていなかったとは考えにくいです。
カオナシは千尋に見つけられるまで、誰からも気づかれず、存在を認識されずにいた可能性があります。
雨に打たれながら無視され続けた彼にとって、千尋が自分を認識したことは非常に重要で喜ばしい出来事だったはずです。そのため、彼は千尋に対して特別な感情を持ち、強く執着するようになったのです。
カオナシの正体とは!?人が持つ欲望の象徴。。。なのかも
カオナシは『千と千尋の神隠し』で多彩な能力を見せつけています。
従業員を取り込みその声で話すことや、砂金を無限に生み出すなど、彼の行動は目を引くものです。彼が神様であるかのように思わせる場面もありますが、その外見は神様とは程遠いものです。カオナシの正体については、映画のパンフレットでも「正体不明」とされていますが、彼が象徴しているのは「欲望」だと言われています。
カオナシの行動、特に食べ物を無制限に食べ続ける様子や、砂金を無尽蔵に生み出すことは、人間の持つ際限ない欲望を表しているとも解釈されます。これは、お金や美食など、一般的に人々が持つ欲望を満たす姿として描かれています。
カオナシが形を持たない欲望そのものを体現していると考えることで、彼の謎多き存在に一定の理解が得られるかもしれません。
カオナシは最後どうなる?
千尋によってニガダンゴを食べさせられたカオナシは、それまでに取り込んだ従業員たちを吐き出し、元の姿に戻ります。
その後も千尋の後を追い、彼女と共に電車で銭婆のもとへ向かいます。
銭婆の家に着いたカオナシは、以前のように暴れることなく、銭婆の編み物を手伝いながら平穏な日々を過ごします。千尋が去る際、銭婆から「お前はここにいな」と告げられ、千尋に同行せずに銭婆のもとに留まることを選びます。
その後、カオナシは物語から姿を消しますが、おそらく銭婆と共に穏やかに暮らしていると思われます。かつては誰からも気付かれない存在だったカオナシが、このように自分の居場所を見つけたのです。
まとめ
千と千尋の神隠しの中でもカオナシはかなりインパクトの強いキャラクターですよね。人の欲望を象徴したとも言えるカオナシは作中の中でもかなり印象的でした。
ぜひ映画を見る際の参考にしていただければと思います。